Japan Geothermal Power Ltd.

地熱発電について

地熱発電について

  1. 概要
  2. 発電方式
  3. 日本の地熱発電の現状
  4. 世界の地熱発電の現状
  5. 固定価格買取制度

概要

地熱発電とは地中から取り出した蒸気でタービンを回し発電する発電方式です。例えば火力発電では石油、石炭、LNGなどの化石燃料を燃焼させることで得た熱エネルギーを蒸気に変換しタービンを回すことで発電しますが、地熱発電では地中に貯留する蒸気を直接利用してタービンを回します。地熱発電の特徴としては以下の点が挙げられます。

  • メリット
    • 化石燃料が不要であること。
    • エネルギー源が純国産であり、半永久的に利用できること(再生可能エネルギー)。
    • 二酸化炭素の発生量が火力発電と比較して格段に少ないこと。
    • 太陽光発電や風力発電といった他の再生可能エネルギーを利用した発電方式とは異なり、天候・季節・昼夜を問わず、安定的な発電が可能なこと。
  • デメリット
    • 大容量の発電所ができにくいこと。
    • 初期費用が高いこと。

発電方式

地熱発電の発電方式としては、①ドライスチーム、②フラッシュサイクル、③バイナリーサイクルの3つの方式が現在利用されています。各々の概要は以下のとおりです。

①ドライスチーム発電

地中から取り出した蒸気にほとんど熱水が含まれていない場合、簡単な水分除去を行うだけで蒸気タービンに送って発電を行います。このような発電方式をドライスチーム式と呼びます。日本では、松川地熱発電所(岩手県)や八丈島発電所(東京都)などがあります。

②フラッシュ発電

得られた蒸気に多くの熱水が含まれている場合、蒸気タービンに送る前に気水分離器で蒸気だけを取り分ける必要があります。このような発電方式をシングルフラッシュサイクルと呼び、日本では最も多く利用されています。
また、設備は複雑になりますが、蒸気を分離した後の熱水を減圧することにより更なる蒸気を得て、この蒸気をタービンに投入すれば、さらなる出力向上が可能となります。この方式はダブルフラッシュサイクルと呼ばれており、日本では八丁原発電所(大分県)及び森発電所(北海道)で採用されています。

③バイナリー発電

地中の蒸気や熱水の温度や圧力が低く地熱発電を行うことが不可能な場合、得られる蒸気や熱水でアンモニア、ペンタン、フロンなど水よりも沸点の低い熱媒体(=低沸点流体)を沸騰させ、タービンを回して発電させることができる場合があり、これをバイナリー発電と呼びます。
バイナリー発電の特徴としては、①発電能力は小さいものの、②発電設備の占有面積が比較的小規模であり、③温泉水と低沸点流体の熱交換をするだけなので、温泉の枯渇問題や熱汚染問題とは無関係です。また、④地中の蒸気や熱水の温度・圧力条件がフラッシュ発電ほど厳しくないために、日本国内にはバイナリー発電に適した地域が多いとされています。
日本では八丁原発電所(大分県)で採用されていますが、同発電所のバイナリー発電の定格出力は2,000kWで、同発電所内のフラッシュ発電と比較すると約36%程度の出力です(いずれも定格出力は発電機一台分)。

日本の地熱発電の現状

日本で最初の商業ベースの地熱発電所は、岩手県八幡平市で1966年10月8日に運転が開始された松川地熱発電所です。同発電所の定格出力は23,500kWで、日本重化学工業株式会社が4年の年月と20億円の総工費をかけ建設、現在は東北電力グループの東北水力地熱株式会社が運営しています。
現在、国内で稼動している地熱発電所は、電気事業用13箇所、自家用4箇所で合計17箇所になります。総認可出力は電気事業用が502,600kW、自家用が12,400kW、合計515,000kWですが、これは中規模の原子力発電所1基程度にしか過ぎません。一方、火山の多い日本は地熱資源量が豊富で、総資源量は約2,300万kWと見積もられており、利用率は2.2%にとどまっているため、まだまだ資源活用の余地は大きく残されています。
そうした中、21世紀以降に事業用発電所として運転を開始したのは八丁原発電所のバイナリー発電のみであり、ここ十年ほどは新規の発電所が全く建設されていない状況です。この理由としては、以下の3点が指摘されています。①初期投資コストが多額であること、②地熱資源の約8割が国立・国定公園内にあり開発が制限されていること、③開発による温泉資源への影響を懸念する地域社会等の開発への同意が得られないこと(日本では地熱発電で温泉が枯れたという例はありません)。
しかし、最近では国もさまざまな政策を通じて、地熱発電の開発を振興しています。まず経済合理性に関しては、再生可能エネルギーで発電された電気を電力会社が固定価格で買い取る制度が作られました(詳細は後述)。また建設主体が建設に必要な資金を金融機関から融資で調達する場合に、当該融資の最大80%を独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が債務保証する制度なども制定されています。
国立・国定公園内の開発に関しても、特別保護地区及び第1~3種特別地域のうち、第2種、第3種特別地域においては、条件付ではありますが垂直掘削が認められるようになりました。また地域社会に地熱発電への理解を促進するための補助金なども制定されています。
日本の地熱発電設備容量は515,000kWであることは先ほど述べましたが、発電電力量としては年間26億kWhになります。2011年3月の東日本大震災後、省エネの意識の高まりもあり日本の電力消費量は減少傾向にありますが、それでも2012年度は9,408億kWhの電力が消費されており、地熱発電の占める割合はわずか0.3%です。ちなみに一世帯あたりの月間電力使用量は300~400kWhと言われていますので、地熱発電では54~72万世帯分の年間使用電力を賄っているということもできます。

国内の地熱発電所一覧
発電所名 所在地 発電会社
蒸気供給会社
認可出力
(kw)
発電方式
(*1)
運転開始
年月
北海道森町 北海道電力(株) 25,000 DF 1982年11月
澄川 秋田県鹿角町 東北電力(株)
三菱マテリアル(株)
50,000 SF 1995年3月
上の岱 秋田県湯沢市 東北電力(株)
東北水力地熱(株)
28,800 SF 1994年3月
松川 岩手県八幡平市 東北水力地熱(株) 23,500 DS 1966年10月
葛根田 岩手県雫石町 東北電力(株)
東北水力地熱(株)
50,000
30,000
SF 1978年5月
1996年3月
鬼首 宮城県大崎市 電源開発(株) 15,000 SF 1975年3月
柳津西山 福島県柳津町 東北電力(株)
奥会津地熱(株)
65,000 SF 1995年5月
八丈島 東京都八丈島 東京電力(株) 3,300 DF 1999年3月
大岳 大分県九重町 九州電力(株) 12,500 SF 1967年8月
八丁原 大分県九重町 九州電力(株) 55,000
55,000
2,000
DF
DF
B
1977年6月
1990年6月
2006年4月
滝上 大分県九重町 九州電力(株)
出光大分地熱(株)
27,500 SF 1996年11月
大霧 鹿児島県霧島市 九州電力(株)
日鉄鹿児島地熱(株)
30,000 SF 1996年3月
山川 鹿児島県指宿市 九州電力(株) 30,000 SF 1995年3月
事業用計13発電所 502,600
大沼 秋田県鹿角市 三菱マテリアル(株) 9,500 SF 1974年6月
杉乃井ホテル 大分県別府市 杉乃井ホテル 1,900 SF 2006年4月
九重観光ホテル 大分県九重町 九重観光ホテル 900 SF 1998年4月
霧島国際ホテル 鹿児島県牧園町 大和紡観光(株) 100 B 2010年11月
自家用計4発電所 12,400
合計17発電所 515,000
*1.発電方式について
  • DS:ドライスチーム,SF:シングルフラッシュ,DF:ダブルフラッシュ,B:バイナリー

世界の地熱発電の現状

世界各国の地熱発電設備容量を見ると、アメリカが339万kWで第一位です。またアメリカは世界最大規模の地熱地帯(カリフォルニア州のザ・ガイザーズ地熱地帯)を有し、地熱資源量でも世界第一位(3,900万kW)となっています。設備容量では、以下、フィリピン、メキシコと続き日本は世界で8位です。2005年ころまでは日本は世界6位でしたが、新規の地熱発電所の運転開始がなく、ニュージーランド、アイスランドに逆転されました。近年では、この2国とインドネシアで地熱開発の伸びが顕著になっています。
一方、地熱資源量ではアメリカ、インドネシア(2,700万kW)に次いで世界第3位(2,300万kW)です。設備容量を資源量で除した利用率も2.2%と他国に比べ低水準であり、今後、さらなる地熱開発が期待されます。

世界の地熱発電の資源量と設備容量
国名 設備容量
(万kW)
順位 資源量
(万kW)
順位 利用率
アメリカ 338.6 1 3,900 1 8.7%
フィリピン 196.8 2 600 4 32.8%
メキシコ 133.9 3 600 5 22.3%
インドネシア 86.3 4 2,700 2 3.2%
イタリア 81.1 5 150 8 54.1%
ニュージーランド 76.9 6 370 7 20.8%
アイスランド 66.5 7 580 6 11.5%
日本 51.5 8 2,300 3 2.2%

固定価格買取制度

2012年7月1日から、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」により、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」が施行されました。水力発電を除く再生可能エネルギーは、他の電源と比べて発電コストが高いことが、普及が進みにくい要因のひとつとなっています。そのため再生エネルギーで発電された電気を、国が定めた買取価格で決められた期間、電力会社が買うことを義務付けることで、再生可能エネルギーの導入を促進するという制度です。平成26年度に国の設備認定を受けた場合には、以下価格・期間が適用されます。

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